十恋人デリヘル
高樹
35歳 T164 B80(B) W56 H84
験
談

朝方に近い夜更けにカリカリと音がする
布団に入って首だけ襖の中を注視した
しばらくすると
またカリカリ爪でかくような音がする
さてはネズミと見当つけて
部屋の明かりをつけ、押し入れを
よくよく覗き込んだら
板の木目の模様からヌラヌラした真っ黒な目が
こちらを覗いていた
たまげて腰を抜かしそうになったが
玄関から転げ落ちるように
寝酒のウィスキーの匂いに
警官は酔っ払いのお世話よろしく
つっかえ、どもりながらも必死で伝えたのが
警官と共に部屋に戻ると
玄関戸は開けっぱなし
部屋の電気は付けっぱなしだった
カラスが朝を告げるように鳴き
暗かった視界も朝日が登るにつれ
明るくなった
一瞬、自分は本当に
寝ぼけただけなのではないか…
不安に襲われながら部屋に戻る
だが部屋の中で開いたままの押入れを覗くと
ポカリと穴が開いていた
押入れの襖の前で
やきもきしていると
警官が何事かゴニョゴニョ話す声が聞こえ
にわかに騒がしくなった
驚いた顔の大家がステテコ姿のまま
つっかけで立っていた
事情も知らない大家に頭を下げながら
事のあらましを告げている最中
怒鳴り声が続いて
身なりは何とも普通の小男が
警官に囲まれて連れて行かれた
周囲は何事かと人だかりが出来ていた
後々分かったことだが
小男は常習犯であったという
空き家だった隣の部屋の窓から侵入して
勝手に住み着いていたそうだ
押入れの上、天袋に小刀を握りしめて
身を潜めていたのを
発見されたと聞いて鳥肌が立った
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