十恋人デリヘル
高樹
35歳 T164 B80(B) W56 H84
験
談

絵本が欲しいんじゃなくて
そばで読んで欲しかった
暗い1人部屋じゃなくて
話せる相手を求めてた
高価な服じゃなくて
汚して一緒に遊べるお下がりが嬉しかった
誰かの温もりを感じられるから
お酒を飲んでタバコを吸って
台所に立つ母が好き
好かれるように頑張れるから
学生時代にバイトして買った
装飾品やカバンを質屋に入れさせてくれ
お金を貸してくれと
情けない恥ずかしいと
涙ぐむ母も悪癖も
嫌いになれない
泣かないで欲しい
いくらでも悪い人はいるじゃない
お金だけが憎らしかった
母も、弱さから出る悪癖も
精一杯生きようとしただけだろう
いくらでも捨てて楽に生きられただろうに
背負ってばかりいるその背中は
痩せてガリガリじゃないか
追い詰めるお金が憎かった
目に見える高価な物より
目に見えない温もりが欲しかった
部屋で1人アレルギーに苦しみ
母のお下がりのコートに身を包んで
安心したくて意識を失うまで耐えた時間
花見で綺麗と言う母の
その視線に嫉妬した時間
学校行事もあまり来ない母を探して
親に抱きつく同級生を尻目に
ふと寂しく感じる時間
ことごとく私から奪い
取り上げてゆく金が
ただ憎かった
そうして全てを失って
もうお前を養えないよと言われた
呆気ない別れの後も
私の手術や倒れた時に
見すぼらしい格好で
借金をこさえてお金を包み
泣く私に
泣くなと叱る母
その輪郭も姿も歪んで見えない
欲しかった姿なのに
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