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るり

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るり
7月12日16時02分
by るり
るり(エステティーク谷九店) 【『まじなひの一方面』】

 どうも、ルリです。折口信夫(1918年)『まじなひの一方面』を読んだ。本作は日本における様々な「まじなひ」を紹介しつつ、それに対する折口の所感が綴られた作品である。
 「まじなひ(まじない)」とは、超人間的な力を、人力で操作しようとする技術※1 のことである。折口は多くの「まじなひ」を作中で取り上げているが、特に印象的であったのは、“まじなひ”の中でも折口が“讐討ち療法”とも言うべきものとして着目した、民間療法に対する所感の記述である。それが下記である。



  「蝮に咬まれた時は、即座に、其蝮を引き裂いて、なすりつけて置きさへすればよいとか、蜂をむしつて、螫された処に擦り込んで置かなくてはならぬ、など言ふのが、其である。
……其にはきつと、其毒を消すに足るだけの要素を同時に、一つからだに具へてゐるに違ひない、と解釈するより外に、為方はなかつた事と思ふ。」※2
  「ばちぇら氏の下女であつたあいぬが、主人が畑から南瓜の双子をとつて来て、食べようとしてゐるのを止めて、「さういふ畸形のなり物を食べるには必、片方食べてはならぬと言ひます。両方とも喰べてしまはねば、祟りを受けます。前半の祟りは、後半が祓ふことになつて居るのですから」と言うた(あいぬ人及其説話)話は、やはり、蝮や蜂の場合と、同じ考へを語つてゐるのであつた。「毒喰はゞ皿まで」など言ふ、粗大な諺の源も、或はこんな処に、存外なひつ懸りを持つてゐるのかも知れぬ。」※3



 ※2では民間療法的な「まじなひ」として「蝮に噛まれたら即座に蝮の腹を裂いて、その中身を傷口になすりつける」「蜂に螫されたらその蜂を毟って傷口に塗り込む」といった、“その毒はそれ自身を以て打消す”、という“讐討ち療法”ともいうべき「まじなひ」が紹介されている。そのうえで、なぜそうしたことが為されたかについては「毒虫の体内にそれ自身の毒を打消す要素があるからだと、人々が考えたからだろう」と折口は綴っている。
 実際毒虫には自らの毒で死なないよう免疫が存在しているために、折口の所感やそれを信じていた人々の考えは筋が通っていたということにはなる。
 ※3では、「双子果の南瓜など畸形の生り物は両方食べないと祟りを受ける。前半を食べて受ける祟りが、後半を食べることで祓われるからである」というアイヌの下女の話を挙げ、これもまた※2に見られる“讐討ち療法”と類似した考えが通っていると折口は見ている。
 これについては、徳川家康の側室・お万の方が双子(うち兄は結城秀康)を産んだ際、弟の存在は隠されたように双子を忌み嫌う昔の風習があったことや、逆に双子を神聖視する考えもあったことなども影響しているのかもしれないとも思ったが、そのあたりはまた深く調べる気力があるときにでも探りたい。

 読み終えて、「まじない」は先人の知恵や当時の風習や価値観などを反映するものなのかもしれないと思えた次第である。
 

 ほんじつも精一杯お癒やししますので、のんびりしていってください。よろしくお願いいたします。
―――――――
《参考文献》
※1 株式会社DIGITALIO、株式会社C-POT「まじないとは? 意味や使い方」、コトバンク〈〉2026/07/12/14:21アクセス。
※2 折口信夫(1918年)『まじなひの一方面』、青空文庫、1頁。
※3 同上、2頁。

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