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るり

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るり
4月22日13時12分
by るり
るり(エステティーク谷九店) 【『カスパー・ハウザー あるいは怠惰な心』④】


 どうも、ルリです。ヴァッサーマン著(2025年)『カスパー・ハウザー あるいは怠惰な心』を最後の549頁まで読み切った。


 427頁-最後までの粗筋だが、カスパーには新しい監視役のシルトクネヒトという兵士と、劇場で出会ったクララという理解者が出来た。
 カスパーは母宛に手紙を書いて、シルトクネヒトはそれを届けるために出立した。フォイエルバッハ長官の書いたカスパーの小冊子には、カスパーはバーデン大公とステファニー大公妃の嫡子であるという説が書かれていたためである。
 クララとは共に劇に出演するなど親交を深めていたが、フォイエルバッハ長官が亡くなり、続いてスタンホープ伯爵の縊死も明らかになった。クララも旅に出ると言ってカスパーに別れを告げた。
 ある金曜日、カスパーは勤め先の裁判所を出たところで、“宮廷から来た母君の使い”を名乗る上品な紳士に声をかけられた。紳士はカスパーを「わが殿下」と呼び、翌日午後4時に迎えに上がるという約束を取り付けた。
 来たる運命の午後4時、カスパーはその紳士と落ち合うが、渡された袋を開けようとした隙に刺し傷を負った。カスパーは3日間付きっきりの看護を受けた。そして、クヴァントと宗教を教えてくれたフーアマン牧師と言葉を交わし、見守られながら息を引き取った。


 
 今回まず印象に残ったのは、カスパーが謎の紳士に呼びかけられた後で、複雑な感情を抱く描写である。それが下記である。


  「カスパーが感じたのは喜びだろうか? 骨の髄まで凍るような喜びがあるものだろうか? 冷水を浴びたみたいにずっと背筋に寒気を覚えていた。
 カスパーは六歩ほど歩いたところで足を止めた。足元の地面が沈んだような気がしたからだ。──人間よ、どいてくれ。ぼくを苦しめないでくれ。雪よ、風よ、そんなに吹き荒れないでくれ。カスパーは自分の手を見つめ、見知らぬ紳士が口づけしたところを指先でしみじみ触れた。
 ……足を一歩前に出すたび、なにかに一瞥をくれるたび、そしてなにかを思うたびに時間が過ぎていく。すばらしいことだ。時間が過ぎること、今はそれがなにより大事なことだ。」※1


 カスパー自身が噂通り本当に大公の子で、これから母に会えるという喜びがありつつも、カスパーはその鋭い勘で奥にある不安や恐怖を、同時に感じ取っている。が、完全に不安に呑まれるわけではなく、約束の時刻に向かって過ぎていく時間を、愛おしく見送っている。こうした複雑なカスパーの心の動きが、ここでは緻密に描かれている。
 私自身、読み進めるごとに鼓動が速まるのがわかるほどの緊張感を憶えた。翌朝から約束の午後4時までの間、カスパーの動きや目に映る景色、所思が描写されるのだが、その間ずっとカスパーがやっと自分の人生を歩めるのだという安堵と喜びと、本当に喜ばしい結末になるのだろうかという不安で心が乱された。
 そして、そうした気持ちは読み手の私だけでなく、カスパーも同様に抱いているのだと感じられたのである。
 
 
 また、複雑な心境であっても希望の光に手を伸ばすカスパーは、危険なほどに真っ直ぐで、痛ましいほどに健気であった。やっと母に会える。やっと自分が何者かを知れる。自分の生きる意味、その根源にやっと触れることができる。そんな純粋な希望に。それが下記である。


  「〈今日まではカスパー・ハウザーだった。明日から別の名前になる。今の僕はなんだろう? 昨日はまだ一介の書記だった。明日になればきっと金モールをあしらった青いマントを羽織る。ドゥカートゥスは短剣も持ってくるだろう。長くて細身の剣。イグサの茎みたいな直剣。だけど、これは本当のことだろうか。こんなことが起こりうるなんて。もちろん起こりうる。そういう宿命なのだから〉※2


 カスパーは周囲の人々と関わる中で、自分は何者なのか、自分の家族は誰か、自分の母親は誰か知りたい、母親に会いたいと強く思い始めていった。塔を出てからは日記をつけ始め、日々覚え磨かれた言葉で心境や出来事を綴り、母に見せようと大切に保管していた。
 その気持ちは、自分が大公家の落胤であるかもしれないと知ってから、シルトクネヒトへ母宛の手紙の配達を頼むほどに強くなっていった。すなわち、カスパーは自分の出自や家族含む「自分」という存在を知りたいという、健気な願いのために生きたのである。
 しかしながら、それを追い求める純粋さが、危うい方へ運命を走らせることとなってしまった。ただ真実を知りたかった、自分を知りたかった、そのために生きたがゆえに悲しい結末を迎えてしまったカスパーの、美しい心の破片が刺さるように胸が痛かった。


 私はカスパーの純粋さと真っ直ぐな心が、報われてほしかったと思う。読後に様々な思いが胸を巡ったため、それらはまた別の日に文字に起こそうと思う。
 今でもドイツではカスパー・ハウザー祭というものが毎年行われていて、カスパーは暗殺されたアンスバッハの墓地に眠っている。



 ほんじつも精一杯お癒やししますので、のんびりしていってください。よろしくお願いいたします。
―――――――
《参考文献》
※1 ヴァッサーマン著(2025年)『カスパー・ハウザー あるいは怠惰な心』、岩波書店、酒寄進一訳、500頁。
※2 同上、501頁。

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