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放課後クラブ(ハレ系)トクヨク

榊ノ下さえ

榊ノ下さえ

25歳 T165 B85(E) W58 H90

体
験
談
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榊ノ下さえ
9月20日12時02分
by 榊ノ下さえ
榊ノ下さえ、20日目。

榊ノ下さえ、20日目。


朝。今日はちゃんと起きた。

鏡の前に立つと頬の左側に小さな跡がある。
昨日のバイト中に餃子の油が跳ねたところ。

制服に袖を通しながら
少しだけ顔を近づけて鏡を見る。

赤みは薄くなっていた。でも、触るとまだ熱が残っている。昨日の夜の音や匂いがそこに小さくしまわれているみたいだった。

洗面台の端に置いてあったアロエを手に取り、新しいやつに変える。その上から新品のちいかわの絆創膏。

台紙からゆっくり剥がして
空気が入らないように頬に貼る。

指で端を押さえると少しだけ安心した。


家を出る。朝の空気は軽くて少し冷たい。
歩くたびに頬の端がわずかに動く。

今日は遅刻せずに無事に学校に到着した。
学校の廊下はもう人の声でいっぱいだった。

靴箱の音。誰かの笑い声。
ロッカーを閉める音。

その中を歩いていると
角を曲がったところで先生とすれ違った。

昨日、補習をしてくれた先生。
私は先に気づいたので立ち止まる。


「おはようございます」

先生も止まる。

「おはよう」

「昨日は、ありがとうございました」

少しだけ間が空く。 
  

先生の視線が私の顔に移る。
そして、頬で止まる。

「……頬、どうしたんですか?」

私は正直に言う。

「ちょっと、油が跳ねちゃって」

「そうか」

それから私の目をまっすぐに見て

「痕が残らないといいですね」
 

と言った。

私は「はい」とだけ答える。
それ以上、何も言うことがなかった。
 

そのとき、チャイムが鳴る。
廊下の空気が急に形を変える。

止まっていた人が動き出して
遠くでドアが開いて、足音が増える。

朝が続きを始める音。

「失礼します」

と言って、先生に軽く頭を下げる。
そのまま教室のほうへ走る。
  

廊下の窓から差し込む光が
床に細く伸びている。

階段を上って曲がって、教室のドアを開ける。

自分の席にたどり着くころには
胸の奥が少しだけ速くなっている。

息も少しだけ乱れている。
頬もまだ少し熱い。

床にカバンを置いて床に正座する。
世界がちゃんといつもの学校の形に戻る。


今日もバイトだ。

いつもの店。いつもの制服。
いつものメイドタイム。

今日もたぶん忙しい。


榊ノ下さえ、20日目。

その日のバイトが最悪な日になることを
私はまだ知らなかった。

 

榊ノ下さえ


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