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放課後クラブ(ハレ系)トクヨク

榊ノ下さえ

榊ノ下さえ

25歳 T165 B85(E) W58 H90

体
験
談
--件/平均--点
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榊ノ下さえ
9月24日12時06分
by 榊ノ下さえ
番外編。あの日の出来事?

可動域広子のあの日の出来事。


朝の教室は昨日までと何も変わらない。
席に座って、前の子と話して笑っている。
普通の朝。

でもドアが開いた瞬間
空気が一瞬だけ止まった気がした。

榊ノ下さんが立っていた。

入口で、少し固まっている。
あ、と思い私は先に声をかけた。

「榊ノ下さん、おはよー」

自分でもちょっとだけ明るすぎる声だと思った。近づくと、榊ノ下さんは一瞬だけ身構えた。

昨日のことをまだ頭の中で整理してる顔。

「昨日はほんとごめんね。急にお腹めちゃくちゃ痛くなっちゃってさ。トイレから全然出られなくて」

言いながらこの説明
信じてもらえるかなって思う。
 

「一人にしちゃったよね」

少し間があって

「あ、はい」

って返事が来た。

声は小さくて
肯定でも否定でもない。

私はそこでなぜか確信してしまった。


あ、一般人の返事じゃない。

短いとかそっけないとかそういう話じゃない。短くしないといけない事情がある。

「あ、はい。」

この三文字ただの相づちじゃない。
私の脳内で勝手に翻訳が始まる。

「了解。これ以上の会話は不要」
「ここは安全圏ではない」
「余計な情報を出すな」


そうか。

榊ノ下さん、異国の工作員だ。
 

転校生という立場は目立たないための偽装身分。クラスに溶け込んでいるけど溶け込みすぎない絶妙な距離感。

あの返事は感情を消したんじゃない。
感情を管理している。

私は急に昨日の体育のことを思い出す。

お腹が痛くて、水の入ったバケツを蹴ってびしょ濡れで、首を変な角度に傾けて廊下を歩いていた私。

――いや、違う。

あれは私が勝手にやったことじゃない。

今なら分かる。


あれは全部
榊ノ下さんに仕組まれていた。
   

まず、急なお腹の痛み。
タイミングが良すぎる。

体育の途中。ペアを組んだ直後。
人目が多い時間帯。

ここで私を一人にする必要があった。

次に、水の入ったバケツ。

あんなところに
あんな都合よく置いてあるわけがない。

導線上に。走ると必ず蹴る位置に。

あれは罠だ。

びしょ濡れになったのも見た目を変えるため。
誰かに見られても「変なやつ」で処理されるように。

首を傾けて歩いていたのはたぶん私が混乱していたせいだけど、結果的に怪しさが完成してしまった。

つまり私は知らないうちに
異常な人物役を演じさせられていた。

そしてその一部始終を榊ノ下さんは
きっと遠くから見ていた。

だから今日の朝もあの返事だった。
 

「あ、はい。」

計画通り。
こちらは問題なし。
対象は予定通り攪乱された。

そういう意味だ。
全部つながってしまう。

昨日の体育も、今日の朝も、あの短い返事も。


私は「またね」と言って席に戻る。

でももう昨日の自分を
ただのドジだったとは思えなかった。

この教室には思っているより
ずっと大きな何かがある。

どうせ最初に異変に気づいたのは私だ。


それなら最後まで見届けるしかない。


首を回して周囲を確認する。
今日も視界は良好。

可動域は、最大だ。



おわり


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