放課後クラブ(ハレ系)トクヨク
榊ノ下さえ
25歳 T165 B85(E) W58 H90
験
談

私の名前は可動域 広子(かどういき ひろこ)。
小柄で隠れ巨乳。性格はちょっとドジで明るくて首の可動域がやたら広い、世間一般の可愛い女子高生だ。
朝の教室は、昨日までと何も変わらなかった。
席に座って前の子と話して笑っている。窓から入ってくる光もいつも通りで、特別なことは何も起きていない。
普通の朝。
……のはずだった。
教室の後ろのドアが開く音がして、なんとなくそちらに目を向けたとき、ほんの一瞬だけ空気が揺れた気がした。
気のせいかもしれない。
でも確かに違和感があった。
榊ノ下さんが立っていた。
そしてその一歩後ろに山田がいる。
その配置を見た瞬間
私は少しだけ思考が止まった。
距離がやたら近い。
ただ並んでいるというより、同じ流れの中にいる感じがした。歩幅もタイミングも自然に揃っていて、境界が曖昧になっている。
あの距離は普通のクラスメイトの距離じゃない。
山田が歩く。
その足取りが、少し軽い。
……いや、軽いというより弾んでいる。
よく見るとほんのわずかにスキップしていた。
私は思わず目を細める。あの山田が。
昨日まで一定の距離を保って後ろに立っているだけだった山田が、こんな風に感情を外に出すような動きをするだろうか。
少なくとも、私は見たことがない。
山田が席に向かう途中
ふとこちらを見てきた。
目が合った瞬間
背中に少しだけ冷たいものが走る。
表情がいつもと違う。明るい。
でもその明るさは自然なものじゃない。
どこか整いすぎている。
まるで答えを知ってしまった人の顔。
……なるほど。
私はそこで一つの結論にたどり着く。
昨日この2人に接触があった。
ただ話しただけじゃない。
もっと深いところで何かが成立している。
条件。合意。そして、実行。
……契約。
その言葉が頭の中に浮かぶ。
私は無意識に首を回す。
左右、後ろ、前。可動域を確認する。
問題なし。視界は良好。
観察は続けられる。
榊ノ下さんは何も変わらない顔で歩いている。
周囲に合わせているようで決して溶け込みすぎない絶妙な距離感。感情を出さないのではなく、管理している。
必要以上の情報を出さない。
余計な波を立てない。
さすが異国の工作員、という感じだ。
やっぱり中心はあっちだ。
山田じゃない。山田は結果。
原因は、榊ノ下さえ。
私は小さく息を吐く。
……次は私かもしれない。怖い。
が、それ以上に興味がある。
そのとき、山田の声が聞こえた。
「さえ様、1時間目は国語です」
教室の空気がほんの少しだけ止まり
ざわざわとざわめき立つ。
やっぱり。
私はわずかに笑った。
予想は外れていなかった。
これはもう確信だ。
榊ノ下さえはただの転校生じゃない。
私は前を向き静かに呼吸を整える。
次は、私の番だ。
首をゆっくり回す。
問題ない。可動域は最大だ。
いつでも来い。榊ノ下さえ。
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