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放課後クラブ(ハレ系)トクヨク

榊ノ下さえ

榊ノ下さえ

25歳 T165 B85(E) W58 H90

体
験
談
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榊ノ下さえ
10月20日12時03分
by 榊ノ下さえ
部活作るってよ(18)

私は無我夢中で走っていた。

どうして助けなければいけないと思ったのか自分でもよくわからない。考えるよりも先に体が動いていた。気がついたときには、もう足が止まらなくなっていた。

チュパカブラと尻もちをついた男の間へ、そのまま飛び込む。

勢いのまま地面を踏みしめると、自然と腕が左右に広がった。まるで二人を隔てる壁のような格好になっている。

背後では男が荒い息をしている。
目の前にはチュパカブラ。

爬虫類のような緑灰色の皮膚。
背中の棘。赤い目。鋭い牙。

近くで見ると想像していたより
ずっと大きかった。


私は息を整えながら言った。

「……この人から離れてください」


チュパカブラが牙を剥く。

「何だお前。邪魔するならお前の血も吸ってやる!」

次の瞬間、チュパカブラが飛びかかってきた。

避けられない。
私は覚悟を決めてぎゅっと目を閉じる。

 

――。

 

……噛まれていない。
首元に痛みはない。

何が起きているのだろう。
私はゆっくりと目を開けた。

 

至近距離にチュパカブラの顔があった。
赤い目が、じっとこちらを見ている。

 
チュパカブラが小さく呟いた。

「お前……未成年か……」

少し間が空く。

「……俺は倫理観があるから未成年の血は吸わない」

 

私はまだ言葉を返せなかった。
恐怖が完全には消えていない。
肩で息をしながら、ただその場に立っていた。

 
チュパカブラはそんな私の様子には特に興味がないようで、小さくぼやいた。

「未成年、怖い……」

 

そのとき、後ろから足音が近づいてくる。
山田と可動域広子だった。

「さえ様!大丈夫ですか!?」
「榊ノ下さん大丈夫!?」


「大丈夫です」

私は短く答える。

 

それからもう一度チュパカブラを見る。

「……どうして、こんなところで男性の血を吸っているんですか…」


「ヤギの血に飽きたから久山からこっちまで来た。人間の血はうまい。特に性欲が溜まってる男の血は格別なんだよ。」

 

ヤギ。久山。
私はその言葉を頭の中で整理する。
 

元はトリアス久山のあたりにいたのだろう。
そこでヤギの血を吸って暮らしていた。

けれど、それに飽きた。

そして中洲に来た。

 

ここには欲望を抱えた男たちが集まる。風俗店へ向かう客。その人たちは血を吸われれば賢者タイムになって帰ってしまう。

 

つまり、このチュパカブラがここにいるせいで楽園ビルの店は閑散期状態になっている。

 

私はふと、自分のバイト先を思い出していた。

メイド喫茶。
客が来る日もあれば、来ない日もある。

閑散期という言葉を店長は何度も口にしていた。それは誰かに作られるものではない。自分の行動が積み重なった結果として、ただそこに現れるものだ。

でも、もし。

他人によって作られた原因が
こうして目の前にいたら。

 

私は小さく息を吸った。

「……血を吸うのはやめてください」

 

チュパカブラの目が細くなる。

「血を吸うのをやめろだと?お前、何の権限があってそんなことを――」

 

そこまで言いかけて
チュパカブラは言葉を止めた。

少し考えたあと、にやりと笑った。

 

「まあ……考えてやらないこともない」

 

赤い目がこちらを見る。

 

「俺のお願いを聞いてくれるなら、な」






本日記に掲載されている物語はフィクションであり、実在する団体・組織とは一切関係はありません。また、榊ノ下さえ本人は未成年ではございません。


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