放課後クラブ(ハレ系)トクヨク
榊ノ下さえ
25歳 T165 B85(E) W58 H90
験
談

「俺のお願いを聞いてくれるなら、な」
私は少しだけ考えた。血を吸うのをやめる代わりに条件を出す。?つまり交渉ということだ。
「さえ様……それ、聞いて大丈夫なんですか……?」
後ろで山田が小さく言った。?
不安そうな声だった。
可動域広子も腕を組みながら口を開く。
「絶対ろくでもない条件だと思うんだけど」
私は二人の言葉を聞きながら?もう一度チュパカブラを見る。
「内容によります」
チュパカブラは腕を組んだ。
?背中の棘がわずかに揺れている。
「そんな難しいことじゃない」
そう言ってから少しだけこちらに身を乗り出した。そして、早口で言う。
「暗めの髪色で毛先を内巻きに巻いたミディアムヘアで襟が紺の白のセーラー服でスカートも紺色でミニ丈でスカーフは赤で黒色の猫耳で猫耳の中はピンクで下着の色は黒でTバッグの女子高生とキスがしたい」
沈黙が落ちた。?夜の中洲の音だけが聞こえる。
私はさっきの言葉を頭の中で整理する。
暗めの髪色。?毛先を内巻きに巻いたミディアムヘア。?襟が紺の白のセーラー服。?紺色のミニスカート。?赤いスカーフ。?黒い猫耳。中はピンク。?下着の色は黒。Tバック。
私はチュパカブラを見る。?
「それで血を吸うのをやめるんですか」
チュパカブラは少しだけ顎を上げて頷いた。
「この街からも出ていく」
その言葉を聞いた瞬間?山田と可動域広子が同時に呟いた。
「倫理観があるとは……」
私は少しだけ考えた。
楽園ビル。閑散期。?そして自分のバイト先のこと。客が来る日もあれば来ない日もある。?それが当たり前だと思っていた。??でも今、原因が目の前にいる。
それなら話は簡単だ。?やれることは一つだけ。
「わかりました」
チュパカブラの赤い目がこちらを向く。
「その人を用意します」
「……本当か?」
チュパカブラの口元がゆっくりと歪む。?
私は短く頷いた。
「ただし今日は帰ってください」
中洲のネオンが、静かに光っている。
通りには相変わらず人の流れがあり?遠くから笑い声や呼び込みの声が聞こえてくる。私はチュパカブラをまっすぐ見た。
「準備が必要なので」
チュパカブラはしばらく黙ってこちらを見ていた。赤い目がまるで品定めでもするように私の顔を見ている。やがて、満足したように小さく笑った。
「いいだろう」
?赤い目がうっすら細くなる。
「明日、ここに連れてこい」
そう言うとチュパカブラはくるりと背を向けた。背中の棘が街灯の光を受けてわずかに光る。
そのまま中洲の路地の奥へと歩いていき?やがて暗闇の中に消えていった。
しばらく、誰も言葉を発さなかった。
ムー研究会の三度目のUMAは本物らしい。
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