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放課後クラブ(ハレ系)トクヨク

榊ノ下さえ

榊ノ下さえ

25歳 T165 B85(E) W58 H90

体
験
談
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榊ノ下さえ
10月25日20時17分
by 榊ノ下さえ
部活作るってよ(終)

次の日の夜。
私は自室で頭を抱えていた。


やってしまった。

せっかく本物のUMAを見つけたのに
写真も動画も録音もない。

肝心の証拠が何も残っていない。


今日は日曜日だったのでダメ元で久山にも行ってみた。しかしチュパカブラは見つからなかった。


「この私としたことが……」

私は机に向かい、部活承認のために提出するレポートを書き始める。

チュパカブラの特徴。出現場所。行動。

……だめだ。

これでは、ただの架空の生物とその行動を書いているだけだ。元々乗り気ではない戸田教頭にこれを見せても部活は絶対に却下されるだろう。

私は結局そのまま眠れない夜を過ごした。



次の日。

徹夜のまま学校へ向かう。
寝ていなかったので遅刻はしなかった。

今日は約束の日だった。

「一週間以内に実績を作ってきてください」
そう言われてからちょうど一週間。

胸の中にずっと引っかかっていたもやもやを抱えたまま、気がつけば放課後になっていた。


私は意を決して職員室の扉を開ける。

「失礼します……」

「あっ、榊ノ下さん」

戸田教頭が顔を上げた。

「あの……部活の実績のレポートを……」


そう言いかけた瞬間だった。

「凄いじゃないですか!!」

戸田教頭の声が、私の言葉を遮った。


「先日、部活動として川のゴミ拾いをしてくれましたよね。それに不審者の通報まで。色んなところからその活動を讃える電話がありましてね。本校の評価もうなぎのぼりですよ!流石榊ノ下さんです!」

「え……あ、ああ、しました」

やったのは、確かに本当だ。
戸田教頭は満面の笑みで言った。

「これからも頑張ってください。ムー研究会」


「……ということはですか?」

「はい。部活として認めます」


そう言って戸田教頭は
書類にハンコを押した。

「……ありがとうございます!」

職員室を出た私は、早く二人に報告したくて柄にもなく駆け足で廊下を渡った。

手に持っている部活承認の紙には
はっきりとこう書かれていた。

ムー研究会(ボランティア部)

けれどそのことを私は
特に気にすることもなかった。



部室のドアを勢いよく開ける。

「山田くん!可動域さん!
 部活として認めてもらえました!」

珍しく声を張り上げる。廊下を走ってきたので少し肩で息をしていた。


山田が立ち上がる。

「おめでとうございます。流石さえ様です」


可動域広子は両手を上げた。

「やった〜!今度から放課後ここでダラダラ過ごせるってことじゃん!」


私は少しだけ姿勢を正す。

「改めて……よろしくお願いします」

私たちは三人で手を取り合い輪になった。

こうしてムー研究会は
正式に部活として認められた。





後日。


「さえ様!これ見てください!!」

山田が勢いよく部室のドアを開けて入ってきた。手には最新号の月刊ムーが握られている。

部室では私と可動域広子がドリトスを食べていた。


「あ、今日発売のやつですね」

「山田、興奮しすぎ」

可動域が笑う。


しかし山田はそれどころではなかった。

「いや、あの!ここ!見てください!!!ここ!!!!」


そう言って山田はページを開き
テーブルの上にムーを置いた。


それはUMA発見の特集ページだった。


タイトルは――

F県H山町のトマト畑で発見されたUMA
『ぐるぐるとした目をしたチュパカブラ』


記事にはこう書かれていた。

F県H山町のトマト畑で、ぐるぐるとした渦巻き模様の目をしたチュパカブラが発見された。
彼は血を吸うことはなく、自ら育てたトマトを食べて生命を維持しているようだ。「サエサマ」という単語をよく発していた。これはチュパカブラ界の王の名前なのだろうか。

謎は深まるばかりである。


そしてその記事の横には、私が渡したぐるぐるメガネをかけたチュパカブラがトマト畑でピースをしている写真が掲載されていた。

ぐるぐるとした目ではなく、メガネなんだが。


しかも知らない人が見たらどう見ても作られたような画像だったので、私たちは思わず笑ってしまった。


でも、あれは確かに本当にあったことだ。

中洲のネオンの下で、チュパカブラと出会った夜。あの出来事の全貌を知っているのは今のところ私たち三人だけだ。


世界には、まだ説明のつかないことがたくさんある。本当に存在しているのに、まだ名前がついていないもの。偶然のように見えて、きっとどこかに理由がある出来事。

そしてたぶんこれからも
私たちはそういうものに出会うのだろう。

私は今でもそのページの写真を
時々思い出してクスッと笑っている。



「榊ノ下さえ、部活作るってよ」完



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