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みさき

みさき

27歳 T175 B89(F) W59 H88



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みさき
4月29日10時34分
by みさき
爆弾

爆弾を観ました。

 
ネタバレないけど、ほんのり感想。
 
 
映画『爆弾』を観終わってまず思ったのは、「これは単なるサスペンスじゃなくて、人間の内側をかなりえぐってくるタイプの作品だな」ということだった。タイトルから受ける印象だと、もっと直接的な緊張感とか、いわゆる“いつ爆発するのか”的なスリルを前面に押し出した作品を想像しがちなんだけど、実際はむしろ逆で、爆弾そのものよりも、それを取り巻く人間の心理や関係性に焦点が当たっている印象が強い。

 

物語の構造としても、ただ出来事を追っていくというより、「なぜそれが起きるのか」「その選択に至るまでに何があったのか」をじわじわと掘り下げていくタイプで、観ている側にも常に思考を要求してくる。だから正直、気軽に“面白かった!”で終わる感じではなくて、観終わったあとに少し引っかかるものが残るし、その違和感をどう処理するかまで含めて作品体験になっている気がする。

 

特に印象的だったのは、登場人物たちが極端に「正しい」わけでも「間違っている」わけでもないところ。誰もがそれぞれの論理や事情を抱えて動いていて、その結果として衝突が起きる。これって現実の人間関係にもかなり近い構造で、だからこそ観ていてしんどさもあるんだけど、同時に妙な説得力がある。いわゆる勧善懲悪のスッキリした物語ではない分、「じゃあ自分だったらどうするか?」っていう問いを自然と突きつけられる感じがあった。

 

あと、この作品の面白さって、緊張感の“質”にもあると思う。普通のサスペンスって、視覚的な演出とか音響で一気に不安を煽ってくることが多いけど、『爆弾』の場合はもっと静かで、じわじわと圧をかけてくるタイプの緊張感なんだった。会話の間とか、ちょっとした視線の動きとか、そういう細部の積み重ねで空気が重くなっていく。だからこそ、ちょっとした一言や選択が妙に大きく感じられるし、「今の判断、取り返しつかないんじゃないか?」っていう感覚がずっと付きまとってくる。

 

演出面でいうと、過剰に説明しない姿勢もかなり印象に残った。普通ならセリフで補足されそうな部分があえて省かれていて、その分、観る側が行間を読むことになる。この“余白”の作り方がうまくて、単に不親切というよりは、観客を信用している感じがある。もちろん、人によっては「わかりにくい」と感じる部分もあると思うけど、その曖昧さ自体がテーマと噛み合っている気もする。

 

一方で、この作品って決して「わかりやすく気持ちいい映画」ではないとも思う。むしろ、観終わったあとに少しモヤっとしたものが残るし、それを解消してくれるような明確な答えも提示されない。でも、それって欠点というよりは、この映画が意図的に選んでいるスタンスなんだろうなと感じた。現実ってそんなに整理されたものじゃないし、すべてに納得のいく結論が用意されているわけでもない。その“不完全さ”をあえて残しているところに、この作品の誠実さがある気がする。

 

個人的には、観ていて楽しいかと言われると、正直「楽しい」とはちょっと違う。でも、確実に“観てよかった”とは思えるタイプの映画だった。エンタメとしての即効性よりも、あとからじわじわ効いてくる感じというか、ふとした瞬間に「あのシーンってこういう意味だったのかもな」と思い返したくなる余韻がある。

 

あと、これは好みが分かれそうだけど、観る側にある程度の集中力と想像力を要求してくる作品でもあるから、軽い気持ちで流し見するにはあまり向いていないと思う。その分、ちゃんと向き合えばちゃんと応えてくれるタイプの映画ではあるから、観るときは少し余裕のある状態で、しっかり腰を据えて観たほうがいい。

 

総合的に見ると、『爆弾』は“刺激の強い展開”ではなく、“静かな圧力”で観客を追い詰めてくる作品だったと思う。派手さはないけど、その分だけ人間の本質に近いところに触れてくるし、観終わったあとも頭の中で何度も反芻してしまう。そういう意味では、かなり誠実で、かつ挑戦的な映画だったんじゃないかな。

 

気軽におすすめできるタイプではないけど、「ただ消費するだけの映画じゃ物足りない」って人には、ちゃんと刺さる作品だと思う。少なくとも、自分にとっては、しばらく引きずるタイプの一本だった。

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